前回、外壁の杉板鎧張り部分の塗装候補としてキシラデコールとノンロットの塗料を試した話をしました。

そして工務店との本契約も完了し着工した今、時間的なゆとりが出てきたので再び僕らの別荘のコテージ風な仕上がりイメージを目指して塗料のリサーチを再開したのでした。

そもそもなぜ木材保護塗料から入ったのかというと、単純に工務店の標準工事の外壁杉板塗装がキシラデコールだったから。

僕らがイメージしているのはスカンジナビアンレッドと呼ばれる赤色系の外観です。そしてキシラデコールとよく対比される対抗馬としてノンロットという塗料があり、そのマホガニーレッド色が一番近そうだという単純な理由からでした。

そういうわけで実際に張る予定の杉板材と塗料を取り寄せ、比較のためにキシラデコールと一緒にノンロットをテスト塗装したんですが、これがどうにもしっくりこなかったんです。

そこでアプローチを変え、そもそも僕らがイメージしているログハウスに実際よく使われている塗料を調べてみることにしました。

もちろんログハウスに使われるログ材はパインが主で、そもそも杉とは材質や表情が違うのは承知しているんですが、塗りつぶすのであればそこまで違いが出ないかもしれないという期待とともにリサーチを進めたのでした...


まず気になってピックアップしたのは、フィンランド TIKKURILA(ティックリラ)社の「VALTTI OPAQUE(バルッティオパーク)」という塗料です。
日本の取扱い店に問い合わせすると早速施工事例と色見本が送られてきました。

バルッティオパーク #2670 (旧色番) 塗装例

そう、この色です。もう気持ち的にはこれに決まったも同然だったんですが、念のため僕らの家は杉板張りでプレーナー面への塗装を考えていることをお伝えしたところ、丁寧にメーカーまで問い合わせてくれたので返事を待つことに。

そしてしばらくすると早速返事が返ってきました。

『杉材が含んでいるオイルや水溶性タンニンが、塗料の乾燥、硬化、付着するのを弱めることがあり、仕上がり表面の色を変色させることがあるためバルッティオパークの杉材へのご使用はお勧めしておりません』

うーん、実にがっかり。。パイン材と杉材はこういうところで違いが出てくるのか。ただでさえ日本では多くの人が杉花粉に悩まされているというのに!まったく関係ないことだけど杉が余計に憎くなりました (笑)

さて、気を取り直してリサーチを続けます。次に見つけたのはドイツの木材・塗料メーカー Osmo(オスモ)社のカントリーカラーという塗料です。



そして色見本に「2308 ノルディックレッド」という、あたかも『僕が貴方のお探しの色に近いですよ』と言わんばかりの名称の色が存在するではないですか!

早速この色番号で画像検索をしてみました。しかし英語サイトも含めて検索すれど、この色を使った決定的な塗装事例の写真がなかなか出てきません。

グーグルさんはご丁寧にも似た画像も並べてくれてそれっぽいログハウスの写真がたくさんヒットするのだけど、塗料についての記述はないのがほとんどです。そんななか少し古いサイトですが日本人の方のブログがヒットしました。


なんとも楽しそうなネーミングのブログです。拝見すると、どうやら仲間で小屋を建てていらっしゃったようで、そこではっきりと「オスモカラー ノルディックレッド」と記載があり塗装風景が掲載されています。

写真を見る限り、塗りたては結構鮮やかで僕らがイメージしている色に近いのだけど、定着した色はやや茶色がかっているかな?という感じです。

「ナガコロ|長野コロニヘーヴ 〜自分でつくる、週末の秘密基地〜」より

しかもこちらの小屋も僕らの家と同じ杉板鎧貼りの外壁をされているので塗装後の見栄えなど大いに参考にさせていただきました。

それしてもこの方たちはピザ窯までDIYされていて、ぜひ仲間に入れてもらいたいと思えるほど趣味が合いそうな方々なのですが、ブログがもう12年ほど更新されていないようなのでその後の事は全くわかりません。どうか引き続きみなさんでこの秘密基地でわいわい楽しくされているといいなぁ。

さて、杉板にオスモカラーの実例が見つかったんですが、バルッティオパークの件もあることだし、オスモ社に自分でも直接確認することにしました。

日本では兵庫に本社のあるオスモ&エーデルというところが扱っています。さっそく電話して問い合わせてみると、関西弁のお兄さんが対応してくれて、ティックリラ社の塗料で言われた杉板との相性について聞いてみました。

その結果、オスモのカントリーカラーではそういう問題は聞いたことは無いとのことで、杉板に使われている事例はたくさんあるので心配しなくても良いとのことでした。

いやぁ良かった。これでオスモ カントリーカラーのノルディックレッドは最有力候補となったわけです。そうなるとすぐにも自分たちで試してみたい。ということで、さっそくオスモ&エーデル社のサイトから少量サンプルを購入、到着を待つのでした。