前回の記事でタイニーハウスについてリサーチしているうちにトレーラーハウスに行き着いた話をしました

天城カントリー工房さんのトレーラーハウスはとても好印象だったのですが条件が合わず断念しました。

それでも建材費の高騰でフルスペックの家が難しいのであれば、比較的早く住み始められ購入した土地をミニマルに楽しみながら建材費がこなれてくるまでの数年間を楽しむ事ができるトレーラーハウスはとても気になる存在だったので引き続き選択肢を模索していました。

リサーチする中で出会ったいくつかの販売会社を紹介しておきます。

[overview target="sub-heading"]

 

パークホームズ

なにやら某デベロッパーのマンションシリーズのような名前の会社ですが、かなり充実したトレーラーハウスをラインアップしています。その中で気に入ったのが 「パークフェニックス」。

全長11mのトレーラーを選ぶと約35平米の居住スペースを造ることができます。標準モデルが約730万円からで、そこに満足するレベルまで各種オプションを追加していくとおそらく900万円〜1000万円くらいにはなってしまいますが、上モノは2X4仕様で建てるまんま木造建築です。

写真のとおり車輪が見えないと普通のコテージにしか見えません。管理別荘地によってはトレーラーハウスを禁止しているところもあるので要注意ですが、そうでないなら一定の条件をクリアすれば固定資産税がかからない置き方もあり、またその場所に飽きたら比較的容易に他の場所に移動させることができる点がトレーラーハウスの最も魅力的なポイントでしょう。

パークフェニックス3.4(PARKHOMESさんHPより)

ルクラ

愛知県の会社。トレーラーハウス内にまるで一般住宅のような充実の設備を搭載しているのが特徴です。なんと1616サイズのユニットバスを搭載して湯船で十分に足が伸ばせます!

キッチンも1950mm幅が入っていて、もうここまでくれば一昔前のワンルームマンションよりも良い仕様です。

ルクラトレーラーハウス施工例 屋上バルコニー付き(ルクラさんHPより)


そしてここの売りは客の好みに合わせた設計・プランを提案していて、トレーラーハウスの随所にこだわりを詰め込むことができるという点です。

もちろんこだわればそれだけコストに跳ね返ってきますが、3.2m x 11m(フルサイズの場合) という決まったサイズに載せるのでどうしても画一的になりがちな建物に、色々なアイデアを詰め込んで個性的なデザインにしていく作業は大変おもしろそうです。

上の施工事例の写真なんてもうどこからどう見ても普通の(いや、プール付きの時点でフツーではない)別荘にしか見えません。まさにトレーラーハウス界の注文住宅と言っても過言ではありません。

カンバーランド・ジャパン

ここは長野県にある会社です。大きなトレーラーを運ぶので工場から拠点までの運搬距離が短ければ運送費も安くつきます。上記二社と比較すると若干デザインやカスタマイズ面で劣る部分も見受けられますが、近さはなんと言っても魅力的。

ただ、ベースプランの金額が既に高めです。長野にあるので恐らくベースプランでも十分寒さに耐えうるような寒冷地仕様になっているのでしょう。ここも大変気になりました。

トレーラーハウスに薪ストーブは?

フルスペック住宅の代替案として数年間のミニマル利用であればトレーラーハウスは十分に魅力的であることはわかりました。いや、ひょっとするとミニマル生活に満足してそれを終の棲家にしてしまうかもしれませんがそれはそれで良いでしょう。

だけど僕らにはどうしても薪ストーブが必要です。僕らオジサンたちには揺らめく炎を眺めながらワインを飲むという使命があるから。しかも標高の高い草原別荘地では薪ストーブが活躍する期間はかなり長い(11月〜4月くらいか)。はたしてトレーラーハウスに薪ストーブは設置できるのでしょうか?

調べると薪ストーブを設置しているトレーラーハウスを見つけました。ストーブのサイズこそミニサイズにはなってしまいますが、とりあえず方策はありそうです。

またまた落とし穴!?

ここまでリサーチしてこれは行けそうだと二人で確信してもう一度トレーラーハウス案にかけてみることに。今度は金額が表示価格の3割増し、とか納期がとんでもなく長い状態になっていなければ良いのだけど...。上記二社のうちまずはルクラさんに電話で相談してみました。

  • 山梨県への搬送は問題なし(60−70万円くらい)
  • 寒冷地対策として床暖房オプション、また断熱材をグラスウールからウレタン吹付けへ変更も可能
  • サッシの標準はアルミだが樹脂アルミ複合サッシへのアップグレードも勿論可能とのこと
  • 薪ストーブも煙突を通す壁の耐熱処理を施すことで可能
  • ウッドデッキは愛知県から業者を派遣すると割高になるのでトレーラー設置後に地元業者に以来するほうが良い

いいぞいいぞ。これはいけるのでは!? と浮足気味でしたが、次に担当者とGoogleマップで搬入経路を確認していくと別荘地の近くまで来た時に痛烈な一言

「これはちょっと搬入が厳しそうですね」

ガーン!なにやら11m長のトレーラーハウスを搬入する場合、運搬車の全長が18mほどになるらしく、角を曲がるには道路幅が入りも出も最低8m必要とのこと。

とほほ。。事前現地調査も可能だが出張費が3〜4万円かかり、今回の場合はどの搬入経路を見てもかなり狭い曲がり角があるため出張費もほぼ無駄になると思ったほうが良いと言われてしまったのです。

当該別荘地へは北からと南からのアプローチがあるのですが、たしかにどちらも一箇所比較的鋭角な曲がり角があります。また何とか別荘地に入ってこられたとしても最後未舗装の道路に入る部分の道幅が圧倒的に狭い。そしてこれはコンテナのサイズを11mから9mに短くしても状況は変わらないらしいです。またもや落とし穴が控えていたとは!

このあと他社にも連絡を取ったところ、やはり搬入経路に難があるらしいのですが、そこは小型重機も伴走させ、曲がりきれない角では一度トレーラーを分離して重機で持ち上げて狭い曲がり角をクリアしていきますとのこと。

もちろんその分コストがかかりますがやり方はあるようです。ただ、それでも11mはちょっと厳しいかもしれないということで、短いトレーラーを推奨されました。つまり、居住スペースが狭くなるのです。

ある程度の機能・見栄えを担保できるオプションを入れていくと、なんだかんだで1千万円ほどのコストは覚悟しなくてはいけないにもかかわらず、曲がり角が曲がれないからという理由で更に小さいトレーラーハウスで妥協するべきなのか?

期間限定とは言えそこまでしてタイニーハウスに住むべきなのか?その期間というのは何年なのか?

こんな自問自答を繰り返した僕らは八方塞がりとなってしまい、二人で話し合った結果ここは一旦リセットしようということになり、短い間でしたが僕らのトレーラーハウス模索の旅は突如終了したのでした。

2022年GW明けにめでたく土地を購入したのはいいけれど、こんな感じで建物の建築計画は序盤から右往左往でなかなか方向性が定まらず、こうしてあっという間に5月が過ぎ去っていったのでした。