オーストラリアのタイニーハウス

2022年GW明けに八ヶ岳南麓の草原別荘地に土地を購入して以来、精力的に設計事務所ならびに工務店のリサーチおよびヒアリングを重ねてきました。

しかしビデオ会議で先方の建物に対する考え方や坪単価の目安を聞いたりして比較するも、一社に絞り込む決定打が今ひとつ見つからないのです。

結局のところ、実際に土地を見てもらいこちらの要望を伝えた上でせめてラフプランニングをしてもらって間取りの提案を見せてもらわない限りどこが良いかなんて分からないものです。

しかし折からの移住ブームのため、契約前にラフプランを描いてくれる設計事務所は皆無に等しく、結局は設計施工実績の写真やヒアリングで得た坪単価の目安と標準仕様を聞いてグロス費用を自分たちで想像した比較表から業者を決めてしまうしか手がなさそうでした。

また図面まで描いてもらうには(のちほど本契約後に設計費に充当されるとは言え)10万〜100万円ほど先に支払う必要がある事務所も多く、リモートで行う設計事務所の選定作業はかなり難航を極めていました。

一方、自社で設計から施工まで行う工務店はある程度デザインや仕様がテンプレート化されている部分もあり、契約前にラフプランを描いてくれそうなところもいくつかありました。

ただそこまでお願いするにはある程度その会社に決めても良いなという姿勢で臨まなければならないので、リモートZoom会議を1,2度しただけでその覚悟を決めるとなるとかなり進め辛いものがありました。

こんな感じで1ヶ月ほどかけて数社ヒアリングを行いましたが、そのほとんどの会社から工事費の高騰を聞かされ、一社に絞り込む手がかりが不明でその先へどうやってコマを進めれば良いのか分からないでいる中、Kが同僚からオーストラリアで泊まってきたというタイニーハウスの写真を見せてもらって閃くものがあったのです。

それはニューサウスウェールズの牧場にあるポツンと一軒小屋でした。電気はソーラーパネル+バッテリー、水はタンクに大家が都度補充する形のオフグリッドなミニマル仕様。これを見てKは思ったのです。

何も大変な時にフルスペックの建物を建てなくても、まずはミニマルな建物を早く建てて早期に拠点を活用しつつ状況がこなれてきたタイミングでフルスペックの家を建てればよいのでは?

突如そんな想いに駆られ、数日かけてタイニーハウスやトレーラーハウスを血眼になってリサーチした中で一番気に入った会社を紹介しておきます。

結論を先に言うと残念ながらタイニーハウスに着地することはありませんでしたが、将来機会があれば広い敷地の一角に離れとして置いてみたいアイテムの一つです。

天城カントリー工房

伊豆にある会社で木の家に拘った工房です。まず興味を惹いたのは「グランピングキャビン」。 コンポーネントをつなぎ合わせる形で自由に設計できるらしいので、あくまでも彼らが提案する中の一つの組み合わせなのですが、ロフト部分にベッドを置いて1F はリビングスペースにしてあります。

ただ、これだと水回りがまったくないのでせめて水栓とシャワーブースくらいは欲しい。。そうなるとやはりこれだけで生活するのはキツそうです。母屋が別にある敷地に基地っぽく使う用途に適しそう。

「グランピングキャビン」天城カントリー工房ホームページより

「グランピングキャビン」天城カントリー工房カタログより

次に気になったのはトレーラハウス。と言っても天城カントリー工房のトレーラーハウスは一般的なものと比べて圧倒的に木の質感があり、トレーラーハウスなのに立派な「the・小屋」といった感じです。

最小限のキッチンと水回りが標準装備され、ベッドもロフトを駆使して狭いながらも小さいものなら4台なんとか置けそうです。これなら母屋が要らないのでは⁉ 俄然食指が動きます。

「トレーラータイプ」天城カントリー工房ホームページより

コンパクトにまとまりロフトで寝るスタイル

コンパクトながらもキッチンを装備。その上にもう一つロフトがある

トイレの横にはシャワーブースも完備

バーゴラと組み合わせるともう立派なコテージだ

上記写真はすべて天城カントリー工房さんのHPからお借りしました

このトレーラーハウスなら別荘地に置いても風景に溶け込んでそこまで違和感はなく、建材の高騰や移住ブームが一段落するまでの数年間は十分に楽しめるのではないか!? もう気になって仕方がなくなり、すぐさま電話で詳細を問合せてみたら意外な返答が返ってきました。
お問い合わせのトレーラーハウスですが、コ ロナ禍で急に人気が出てしまって、今は納品まで1年以上見てもらわないといけないほどの順番待ちができています。あと材料費がウッドショックや東欧の情勢により高騰していてホームページ記載の価格ではもう製作できなくなってしまってます
なにやら建材の高騰で3割(また⁉)ほど値上がりしているらしいです。いくら見栄えの良いトレーラーハウスでも納期に時間がかかり更にそれなりの金額の出費を伴うのであればもはや一時凌ぎ的な位置付けとは到底言えず、カタログを見てワクワクしていた気持ちが急速に冷えていきました。やはりそんなに上手い話は転がっていないものですね。。

[alert-success]僕たちの目的が別荘建築ではなく母屋の隣に建てる離れ的なものであったならノーブレイナーで購入に至っただろうなと思えるくらい天城カントリー工房さんの小屋が気に入りました。

将来、別荘の敷地に離れを作る余裕ができた暁にはぜひ再検討したい工房です。可愛いトレーラーハウスは店舗としても良いのではないでしょうか。

トレーラーハウスに実際に宿泊することもできるようです。タイニーハウスを検討中の方で伊豆方面へ行かれるご予定の方はぜひホームページをチェックしてみてください。[/alert-success]