2022年5月に土地購入手続きが無事完了したものの、問合せた設計事務所や工務店から聞かされる概算坪単価は建設費高騰のあおりを受けて軒並み高く、選定プロセスが思うように進みません。
そんななか、比較的低コストで建てられるタイニーハウスやトレーラーハウスに一時的に気持ちが傾むくも、すぐに難題にぶち当たっては元のプランに戻ってくるというのを繰り返していました。
#11 タイニーハウスってどうなの?
オーストラリアのタイニーハウス 2022年GW明けに八ヶ岳南麓の草原別荘地に土地を購入して以来、精力的に設計事務所ならびに工務店のリサーチおよびヒアリングを重ねてきたけども、ビデオ会議で先方の建物に対する考え方や坪単価の目安を聞いたりして比較するも、一社に絞り込む決定打が今ひとつ...
#12 トレーラーハウスを考える
前回の記事でタイニーハウスについてリサーチしているうちにトレーラーハウスに行き着いた話をしました。 #11 タイニーハウスってどうなの? オーストラリアのタイニーハウス 2022年GW明けに八ヶ岳南麓の草原別荘地に土地を購入して以来、精力的に設計事務所ならびに工務店のリサーチおよび...
引き続き工務店探しをする傍ら、僕らは東京とシンガポールの遠隔地からそれぞれ八ヶ岳南麓にある草原別荘地の情景を思い出しては自分たちが思い描いている建物のイメージを精力的に描き起こしていました。
前にも書きましたが、当初ホンカログハウスのシリウスシリーズから間取りを着想したので専らそれがベースになっています。
希望する大きさは基本的に2人での利用、そして時々Kの家族4人が寝られれば良いので平屋の2LDKで十分です。いくつかヒアリングした設計事務所や工務店の概算坪単価で予算から逆算しておよそ22坪73平米程度の建物になるように間取りを考えていきました。
上図は最も初期にエクセルで描いた間取りです。広いウッドデッキとビューバス、そしてサウナがイメージキーワードとしてありました。
ビューバスは僕らの土地の場合はすなわち景色の良い南斜面側に浴室を持ってくることを意味するのですが、これがかなり間取りの制約を作ってしまうのです。
通常浴室や洗面所などのユーティリティエリアは北側に押しやってしまえば良いのですが、それを南側に持ってくると今度は同じく南側に置いているLDKからのアプローチに苦労します。
僕らは色々なアイデアを出し合いながら間取りのバージョンアップを重ねていきました。
ホームビルダーソフト
エクセルで間取りを描くのはとても骨が折れます。線を描くのにどうしても罫線を多用するのですが、サイズを決めてマス目を数えてというのがとても面倒なのです。修正も罫線なのでDELキーで簡単には消せません。
そこで、初心者でも簡単に扱えて気軽に間取りを作ることができるアプリやソフトがないものか調べていくつかのソフトを試しているうちに、ようやくリーズナブルな料金設定でそこそこの機能がついてくるDreamPlanというソフトウェアに出会ったので紹介しておきます。
家の間取りから外装、お庭まで簡単にデザインできる使いやすいインテリアデザインソフト
リアルな3D画像で間取りやお庭、インテリアデザインが誰でも簡単にできます。お家のリフォームはもちろん、お部屋の模様替えや、壁や屋根の塗り替え、ガーデンデザインなど、お家に関するデザインがらくらくできる本格派デザインソフトです。
ちょっと扱い方に癖があるので慣れるまで少し戸惑うかもしれませんが、慣れるとサクサク家を作ることができます。
細かい難点を挙げていくとキリがありませんが、約40米ドルから買い切りライセンスを購入できるのでリーズナブルな部類に入ると思います。以来、このソフトで僕らは理想の間取りを作り続けています。そしてこれで作成した間取りを見せながら工務店と話すと意思疎通も取りやすいのでおすすめです。
プランニング変遷
いくつか検討初期に考えていた間取りを紹介しておきます。まずはタイトル画像のエクセルの図面をDreamPlanに起こすところから始めました。
組み上げた間取りを平面図や立体図で見ることができるのですが、立体図のほうが断然イメージが湧きます。玄関前の廊下が太く長くもったいない間取りですね。
3D間取り |
次に、上の間取りからユーティリティー部分を南に持ってきました。言うは簡単ですが、ただ単に持ってくれば良いというわけではなく、目標坪数を維持しながらやりくりするのはかなり大変です。
ユーティリティを南西側に配置 |
このバージョンでは玄関前の廊下は短くなりましたが、今度はユーティリティへの通路が細長くなってしまいました。幅も壁芯で910mmなのでかなり狭い廊下です。またキッチンも一見うまく収まっているように見えますが、これだと収納が著しく不足していますね。
次に考えたのは、寝室を東に振りキッチンをペニンシュラキッチンにして背面収納を確保する案です。ただ、一時忌避された玄関前の長い廊下が復活しています。
また寝室からユーティリティまでの距離が伸びたのでトイレだけ通路横に持ってきたのは良いのですが、そうするとキッチンカウンターの真横に壁一枚を隔ててトイレということになり最終的にボツになりました。
ただ、このバージョンから壁を雁行させてアウトドアリビングエリアを広く設けるというアイデアが初めて採用されました。
種明かしをすると目標坪数を守るために床を削ったらたまたま良い塩梅になったというだけの話なんですけどね。調べてみると部屋を雁行させると実際よりも広く見えるという視覚効果も期待できるらしいので、その後積極的に採用するようになりました。
南側壁面を雁行させて奥行きのあるアウトドアリビングスペースを取っている |
ちなみにこのバージョンを作ったのは2022年の6月頃のこと。当時話していたいくつかの建築設計事務所からはユニークな提案を聞きたかったので自分たちの間取りを見せることはしませんでしたが、逆に工務店には積極的に自分たちの考えている間取りを見せてイメージしている建物が建てられそうか、それにはどのくらいのコストが掛かりそうかを聞いてまわりました。
設計事務所は設計を生業にしているので建物工事費とは別に設計監理料が発生します。僕らが話した設計事務所の相場は大体建物費用の10%〜15%でした。
一方工務店で直接建てる場合は大抵の場合設計料は本体工事費に充てられるので総額は安くなる傾向があります。ただ設計事務所と比して提案力は若干弱くなります。
建築士はデザインや発想で勝負、一方工務店は建ててなんぼの世界なのでそもそも目標が違うので当然ですね。なので工務店と話をする時は施主のアイデアをどんどん出していったがほうが良さそうです。
下図は僕らが実際に作成した工務店へのプレゼン資料の一部です。自分たちが迷っていたり困っていることを展開して意見を聞くとまた新たな視野でプランニングができるかもしれません。
僕らの理想の間取りの探求はこの後もしばらく続くのでした・・・
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