いよいよ八ヶ岳土地探し三泊四日の旅の初日です。

僕たちは朝早くに東京を出発して中央道で一路八ヶ岳へ向かいました。週末の中央道下りは混雑が予想されるため早めに出発したにもかかわらず、あいにく20キロの事故渋滞に巻き込まれ第一目的地に少し遅れての到着となりました。

東京を出たときは曇天模様だったのですが山梨県に入る頃には天気予報どおり天気は回復、勝沼あたりの坂を下って視界が開けてくると南東に富士山、西に南アルプス、そして北西方向に八ヶ岳のすばらしい景色が広がり、旅への期待は高まるばかりです。

第一目的地はホンカ八ヶ岳さん。僕たちの熱い思いに真摯に耳を傾けてくださり、大きなサッシから差し込む太陽光と暖房器具の熱とが相まって少々オーバーヒート気味でしたが、話が盛り上がり幸先の良いスタートを切りました。

懸念していた資材高騰については予想通り『この2年ほどで3割ほど値上がりした』とのことでしたが、シリウスの想定コストはまだ予算の範囲内だったので取り敢えずは一安心。

とは言え2月に始まった露ウ情勢不安は木材市況やサプライチェーンに暗い影を落としつつありまだ予断を許さない状況。良い土地が見つかるタイミングで全てが収まってくれていればいいなと願いながらホンカ八ヶ岳を後にしました。

土地見学 #1

続いて訪れたのは閑静で落ち着いた草原丘陵、僕たちの留学先でもあったイギリス・ヨークシャー地方の北部に広がるノースヨークモアーズ国立公園を彷彿させる北杜市大泉町のとある草原別荘地を開発・分譲している不動産屋さんの現地事務所です。

てっきり若い営業マンが出てくるのかと思いきや、八ヶ岳周辺で不動産事業を長くやられていて話がとても豪快で面白いご年配の社長さんが登場。事務所に入るなり目に飛び込んできたのが富士山と南アルプスの圧巻の景色!二人共この場所にビビッと来るものがあり思わず『ここに住みたい!』と初っ端から心を動かされたのでした。

社長さんの豪快な話と別荘地開発秘話をたんまりと聞かせてもらった後、ようやくお目当ての土地を見学です。実はこの土地は下調べをして候補地をリストアップしていた段階からKもTも一番見てみたかった土地だったので、最初の見学地として選出していました。

雰囲気、ひらけた空、富士山の景色、保安林の先にみえる南アルプスの稜線、まさしくこの土地は僕らの理想のイメージそのものでした。だけど、こんなに素晴らしい土地がなぜ売れ残っているのか?良い土地はほぼ売れてしまったのではなかったのか?理由を探るべく色々と質問をしたのですが、これと言ってネガティブポイントは見つかりません。

強いてあげるとすれば傾斜地である点です。土地は北側道路に30m以上接道、345坪のほぼ正方形の土地ですが全体的に南東に傾斜しています。10°ほどか。ただこの傾斜のおかげで正面の視界に障害物は何も入ってこず、見えるのは広い空と(保安林越しの)山々の稜線です。

この傾斜のため多少基礎工事費が嵩みそうですが、他にこれといってデメリットは見当たりません。

「果たしてこの後これよりよい土地にめぐり合うのか?」

旅の初っ端から感動する土地に出会ったことで若干複雑な思いを胸に他の土地を見にいくために素敵な別荘地を後にしたのでした。
 
草原別荘地の丘

別荘地と雰囲気が似ている英国ヨークシャー地方ノースヨークモアーズの風景

次に、宿のチェックイン時間が迫っていたので天女台やセラヴィリゾート泉郷近くの土地を3箇所足早に見て回りました。

1つ目の土地と比べて、隣家が迫っていたり、著しく急峻な斜面であったり、逆に土地はフラットだけど全く眺望がなかったり、と明確なネガティブポイントが目につきました。

一つ大きく予算をオーバーする土地も見たのですが、結構な斜面の下で接道する1,500坪ほどはあるとても大きな土地。上まで登れば見晴らしは最高でしたが、せっかくのビューなので建物を高い位置に配置すると、どうしても南からのアプローチが急で長くなりすぎます。

毎回車を下に停めて長い階段を登ってくるのは現実的ではないので、それでは車で上まで登って来られるように延々とスロープ状に車路を整備するのか?ほどなくしてその土地は売れたようなので、買い主がどのようにこの土地を活かして設計するのか今から密かに楽しみにしています。時々見に行こうと思っています。

保安林の向こうに見える南アルプスの稜線