別荘地からの景色(22年夏)

僕らの別荘は敷地内に木々が少ない草原別荘地(と勝手に呼んでいる)に建築中です。

南麓なので別荘地全体が南傾しています。僕らの土地からほんの少し坂を上ったところから南方向を眺めると、富士山はもちろん、その下方に甲府盆地が見渡せるほどダイナミックに視界が開けている場所です。

この開放感に魅せられて土地を購入したということもあって、当然設計時には南側に大開口を意識したプランニングを行いました。
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大開口サッシ

ホンカ・ログハウスを諦めたあと、しばらくドイツハウスを検討していた時期があって、以来窓はドレーキップサッシを採用したいと考えていました。ただ、全ての窓を木製サッシにするのは高額なので、しばらくエクセルシャノンのドレーキップを検討していたのです。

その後、現在の山口工務店に決定してドイツハウス風デザインを諦めたんですが、その途端にドレーキップへの熱も冷め、こんどはドレーキップの分厚い枠がガラス面積を小さくするというデメリットに目がいくようになったのでした。

最終的に窓はすべて標準サッシへ変更。そしてシャノン、LIXIL、YKKの各商品を吟味した結果、樹脂サッシのYKK AP330に決めました。

ところが、LDKの南側に大開口サッシを入れたくて色々調べるも、どうしても引違いサッシ二枚だけで大開口にできる規格商品が見つかりません。

幅が足りないか、もしくは足りても4枚サッシとかになってしまう。これでは視界が框で細かく分割されて大開口にする意味がないんですよね…

ユニウッド

そんなある日、工務店の施工事例を眺めていると、いくつかの事例で木製サッシを導入していることに気づきました。

「でもこんな大開口の木製サッシなんて、さぞお高いんでしょ〜?」

と工務店に聞いてみると、事例のサッシはI社製で一組100万円を優に超えるとのこと。やはりテレビ通販のような「安〜い!」という驚きは残念ながらなかったです...

うちは二組必要なのでいくらなんでもこれは高すぎるという事で、ネットで他の木製サッシメーカーを調査することにしました。そして何社か良さそうな会社に問い合わせた結果、理想的なメーカー1社に絞り込むことができました。それがユニウッド社でした。
ユニウッドは新潟県の木製サッシメーカーで、100%内製化により安価に提供しているとのこと。評判を検索してみても特に目立ったネガティブレビューは見受けられません。

ラインナップには室外側のサッシをアルミ押出し材で覆って木材を保護するメンテナンスフリーな「アルミクラッド」シリーズや、銘木を使った高級路線まであるんだけど、僕らの別荘には標準仕様の木製サッシで十分です。

僕らの家の南面は軒が深め(1820〜2730mm)なので、さほど雨はかからないだろうし、必要とあらば2−3年に一度くらい4枚のサッシ框と枠くらい自分たちで塗ってやろうと思っています。

そして肝心の価格ですが、この会社のサイトは珍しく、必要寸法を入れると価格を表示してくれる自動見積り機能がついています。敷居が低いっていいですね、大歓迎です。

サッシサイズ 3300x2300 の引違い窓を指定して入力、出てくる価格に納得してさっそく工務店に連絡したのでした(注:実際には表示される製品価格のほかに製作図代と運搬費がかかります)
じつは、リサーチ時から発注までのあいだ、折からの値上げラッシュによりユニウッドサッシも値上げされてしまい、最終的に当初見ていた価格から17%程高い価格での発注となったのでした。トホホ...。

材種と塗装色

ユニウッドの木製サッシは材種が米松か米ヒバから選べます。米松の方が若干耐久性がよく少し赤みがかっています。一方米ヒバは耐水性があり木目が少なく色が馴染みやすいらしいです(ユニウッドご担当者さん談)

どちらの材を選んでも、シッケンズの木材保護塗装仕上げとなり、色は10色から選べます。

ユニウッド木製サッシのカラーバリエーション

もちろんサンプルの入手も可能です。「お問い合わせ」から必要事項を記入して、ほしい色をフリー書式で記入すると、すぐにサンプル材に複数回塗装して送ってくれます。

ユニウッド社から送られたサンプル木片。上段が米ヒバ、下段が米松。米松のほうが赤味がある分同じ塗料でも色が濃くなるようだ

僕らはサンプルで実際の色や匂いを確認し、フローリング材との色調和などを確かめたうえで、最終的に米ヒバのチーク色を選択しました。これは完全に好みの問題ですが、くっきり出た木目が日本の障子を連想させるためか、米松のほうがより和の表情をもっているように感じました。

なお、サッシ枠の框部分だけ板目になり、それ以外の障子、網戸とも目に見える部分はすべて柾目(上のサンプル写真のように縦に真っ直ぐ木目が入る)になるとのことです。

ヘーベシーベ

ところで、大開口はいいけど木製ペアガラスサッシなんて重くて開閉が大変なのでは?とお思いかもしれません。だけど世の中には大変便利なサッシがあるもので、ヘーベシーベと呼ばれる機構であればとても軽々と開閉ができるらしいです。

ヘーベシーベはドイツ生まれのサッシ機構で長いハンドルが特徴です。ハンドルが上向き(ロック状態)時は引き戸がレールに押し付けられて気密性を保持します。そしてハンドルを下に回すと引戸が持ち上がって軽々とスライドできる機構なんです。下のビデオが参考になります。


このように開閉の軽さとロック時の気密性を両立している素晴らしいメカニズムなんですね。もちろんユニウッドの引違い戸もヘーベシーベ機構が標準仕様です。機構の金物はドイツGU社製、ハンドルおよびレールはシルバーかダークブロンズ色から選べます。サッシの製作範囲はW1800〜3600、H1500〜2700まで対応とのことです。

ヘーベシーベサッシの特徴的なドアハンドル(ロック状態) ー ユニウッド社サイトより

コストを抑えつつ大開口サッシを付けたいとお考えであれば、一度ユニウッドさんから見積もりを取られてみることをオススメします。当然、まだ納品されていないのでクオリティまでは定かではありませんが、プランニングにおいて現実的な選択肢が増えることはとても良いことです。

納品されて建物に装着された段階で、また感想を書きたいと思います。